2021年に宝塚文化芸術センターで展示・発表した「CLOUD LINE」の一部シリーズです。
新型コロナウィルス感染拡大の時期に発表したモノで、人と直接会えない時に人の存在について考察した、儚くも美しい意欲作です。
現在大丸松坂屋公式オンラインショップでご購入いただけます。
https://www.daimaru-matsuzakaya.jp/Search.html?keyword=dm4_masudamanabu
以下、展示の際に記したコンセプトです。
<展示コンセプト>
私は常に「生命とは何か?」が気になります。
インターネットが普及し、人の知恵や記憶がCLOUDと呼ばれる雲の上のような、どこか遠くのサーバにアーカイブされる時代。(個人的には本当に雲の上の話で、把握出来ない)。CLOUDに上げられた人の記憶は、いつまで保存できるのだろうか?例えば人類が滅んだ後、そのCLOUDデータを取り出すモノは現れるのだろうか?それとも発見されることなく、消えてなくなるのだろうか?
このことは、親しい人の死と向き合った時に私が感じたことに似ています。葬儀場に横たわる肉体は確かに活動を停止し、その人はそこに居ないと感じる一方で、その記憶は雲の上を漂い続けるのではないか!?思えてならないのです。そしてその「記憶」が、「肉体に宿り・離れる」を繰り返す「揺らぎ」が「生」なのではないだろうか。
私の作るワイヤーアートは、空中に人物や動植物をドローイングすることで、生命の器を描き出し、観るものに「生」を感じさせる作品です。今回はそのワイヤーをデータ通信のコードに見立て、どこかに接続され、そして消えていくような身体作品を展示することで「生命」を共に考えたいと願います。
升田学