Masuda Manabu

[Art] 升田学 展|存在のフォルム、生命の境界線

2023/1/19

存在のフォルム奈良フライヤー-01 copy

奈良町にぎわいの家 つし二階アート企画 vol.29

升田学 展|存在のフォルム、生命の境界線

Manabu Masuda Exhibition | Forms of Existence, Boundaries of Life

 常々疑問に思うことがあります。生命とは何なのか。生きているとはどういうことなのか。

 私は一本のワイヤーを曲げて、人や動物など生あるものを描いています。キャンパスでも紙でもなく、空中に描く線画です。その作品は「生きている」とまでは言わないまでも、その視線を感じ、肉感を伴っているように感じます。そのような作品を見るたびに、動くことはできなくとも、そこに生命があるのではないかと思うのです。

 最近は仏画をワイヤーで写すというライフワークをしています。京都瑞泉寺が所有する、当麻曼荼羅図の版画で、未着色の珍しい線画の掛軸です。その阿弥陀如来さまや観音菩薩さまと対峙し、ワイヤーで写し取っていると、その眼差しを感じ取ることができます。そこに込められた愛情なのか憤りなのか、そういった感情やその教えが感じ取れるのです。これはある種の交流で、生命のやり取りとあまり変わらないのではと思うのです。

 

この度の新作は2点。特につし2階に飾られた作品は升田にとって新境地の作品です。中性的な人物が泡となって消え入りそうな姿で、「諸行無常」をイメージしています。この世の全てが流動し変化するものであることに気付き、悟りを開く直前の人物を自由な視点で描いています。

また今回は、2016年よりライフワークとして創作する「写仏」も飾りました。當麻寺より流布された「當麻曼荼羅図」の掛け軸をワイヤーで描きとっています。飾られたのは「阿弥陀如来」「観音菩薩」「勢至菩薩」の3点です。

その他、昨年静岡での展示で発表した作品群を中心に構成しました。日本家屋にも十分馴染みつつ見栄えする展覧会になりましたので、ご覧いただけると幸いです。

2023年3月4日(土)〜3月19日(日) 9:00〜16:30 水曜定休・16日(木)休館

奈良町にぎわいの家 つし二階・茶室・座敷

無料

※312日(日)はイベント開催の為、座敷の展示はご覧いただけません。ご了承ください。

作家在廊予定:3/4(土)、5(日)10(金)11(土)16(日)、18(土)19(日) (場合によって変更になる場合があります。その都度SNS等でご確認ください。

 

アーティストトーク

34 14:00~ 

ゲスト:浅山美由紀(アーティスト) 

定員:約10名(当日先着順|受付30分前)

会場:つし二階

 

パフォーマンス「漂流詩」

318 土 11:00~/15:00 (各回15min

出演:エメスズキ、升田学

会場:奈良町にぎわいの家 お庭・座敷

定員:約20名(当日先着順|受付30分前)

漂流詩とは:twitterで「漂流詩」を検索ください

コロナ状況により変更する場合があります。予めご了承ください

定刻、おもむろにはじめます。客席はございません

客席はございません

奈良町にぎわいの家

1917年(大正6年)に建てられて築100年の町屋(表屋造り)です。

二十四年節気をコンセプトに、季節を感じながら、手仕事を大切に暮らした

昔の時間が、未来につながるような家になりたいです。

ここ奈良町は古いものと新しいもの、人と時間が交わり、心にぎわい、皆が集う場所。

次の100年をみなさまとともに。

〒630-8333 奈良市新屋町5

Tel. 0724-20-1917

https://naramachi-nigiwainoie.jp/

主催:奈良町にぎわいの家

キュレーション:浅山美由紀

協力:漂流詩、エメスズキ、アートーン